Wio Nodeのファームウェアを修復する

Seeed K.K.の松岡です。
Arduino化したWio Nodeのファームウェアを元に戻す手順を記しておきます。

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経緯

2016年頃から販売しているWio Nodeですが、スマートフォンアプリWio Link Appでチョイチョイとセットアップすれば、Web APIを呼び出すだけでセンサーの値を取得できたりリレーを動かしたりできるという手軽さから今でも根強く売れています。また、値段の安さにひかれて、Wio Nodeのハードウェアだけを利用、例えば、Arduino IDEで開発したソフトウェアをWio NodeのESP8266に書きこんで利用いただいているケースもあります。←これを「Wio NodeのArduino化」と言います。

一旦、Wio NodeをArduino化すると、元々入っているファームウェアは上書きされて消えてしまい、Wio Link Appからセットアップすることが出来なくなります。Advanced User GuideRepair Bricked Wio Linkを実施すると元通りに戻りますが、、、現在、(使用するツールが新しくなっていたりして)ここに書かれている手順通り操作することができない状況です。

そこで、ここに現時点の最新のツールによる手順を記しておきます。

準備作業

ファイルのダウンロード

以下のソフトウェアやファイルをダウンロードして、必要に応じて解凍します。

  1. Flash Download Tools @ Espressif
    Espressifのサイトから、Flash Download Toolsをダウンロードして解凍してください。
    f:id:matsujirushix:20210827141054p:plain
  2. Wio Linkファームウェア一式 @ Seeed-Studio
    GitHubのWio_Linkリポジトリから、Wio Linkファームウェア一式をダウンロードしてください。
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    GitHubからダウンロードする方法が分からない方は、このリンクでmaster.zipをダウンロードして、repairディレクトリ配下のファイルを取り出してもOKです。

ハードウェアを接続

Wio NodeのGrove-D0コネクタとPCを、USB-UART変換器を介して接続してください。

Groveピン番号 機能 Groveケーブルの色 接続先
Pin1 RX USB-UARTのTXDに接続
Pin2 TX USB-UARTのRXDに接続
Pin3 VCC (接続してはいけない)
Pin4 GND USB-UARTのGNDに接続

ファームウェアの書き込み

先ず最初に、Wio NodeのUSBを接続して、Wio Nodeへ電源を供給してください。

次に、Wio NodeのFUNCボタンを押しながらRSTボタンをクリックして、Wio Nodeをダウンロード可能なモードに切り替えてください。正常に切り替わると、赤LED、青LEDは消灯して、緑LEDだけ点滅します。

Flash Download Toolを起動してください。ChipTypeはESP8266、WorkModeはdevelopを選択して、OKをクリックしてください。

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下図のとおり入力、選択して、COM番号を選んでからSTARTをクリックしてください。

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file address
boot_v1.7.bin 0x000000
user1.bin 0x001000
user2.bin 0x101000
esp_init_data_default_v08.bin 0x3fc000
blank.bin 0x3fe000

Download Panel 1にFINISHと表示されれば書き込み成功です。

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変更履歴

日付 変更者 変更内容
2021/8/27 松岡 作成