Wio Nodeのファームウェアを修復する(最新版)

Seeed K.K.の松岡です。

記事「Wio Nodeのファームウェアを修復する(2021年8月版)」をいま実施するとWio Nodeを修復できなかったので、手順を変更、改善しました。

ファームウェアを修復

ファイルをダウンロード

以下のソフトウェアやファイルをダウンロードして解凍します。

  1. Flash Download Tools @ Espressif

    Espressifのサイトから、Flash Download Toolsをダウンロードして解凍してください。

  2. Wio Linkファームウェア @ SeeedJP
    GitHubのWio_Linkリポジトリから、combine.binをダウンロードしてください。

    「Raw」ボタンをクリックするとダウンロードされます。

ハードウェアを接続

Wio NodeのGrove-D0コネクタとPCを、USB-UART変換器を介して接続してください。

Groveピン番号 機能 Groveケーブルの色 接続先
Pin1 RX USB-UARTのTXDに接続
Pin2 TX USB-UARTのRXDに接続
Pin3 VCC (接続してはいけない)
Pin4 GND USB-UARTのGNDに接続

FTDI TTL-232R-3V3を使っているときはこのとおりです。

ファームウェアを書き込む

先ず最初に、Wio NodeのUSBを接続して、Wio Nodeへ電源を供給してください。

次に、Wio NodeのFUNCボタンを押しながらRSTボタンをクリックして、Wio Nodeをダウンロード可能なモードに切り替えてください。正常に切り替わると、赤LED、青LEDは消灯して、緑LEDだけ点滅します。

Flash Download Toolを起動してください。ChipTypeはESP8266、WorkModeはdevelopを選択して、OKをクリックしてください。

下図のとおり入力、選択して、COM番号を選んでからSTARTをクリックしてください。

Download Panel1にFINISHと表示されれば書き込み成功です。

おまけ

なにが起きていたのか?

Wio NodeのESP8266ファームウェアはの32Mbit(1024KB+1024KB)構成で作ってありますが、最新(v3.9.8)のFlash Download Toolsで修復すると32Mbit(512KB+512KB)で動作してしまい、ファームウェアがまったく起動できなかったり、Wio Linkアプリでファームウェアアップデートすると起動できなくなりました。

以下、bootのログです。(Grove-D0コネクタに74880bpsで出てきます。)

正常時:

2nd boot version : 1.7(5d6f877)
SPI Speed : 40MHz
SPI Mode : QIO
SPI Flash Size & Map: 32Mbit(1024KB+1024KB)
jump to run user2 @ 101000

異常時:

2nd boot version : 1.7(5d6f877)
SPI Speed : 40MHz
SPI Mode : QIO
SPI Flash Size & Map: 32Mbit(512KB+512KB)
jump to run user2 @ 81000

Fatal exception (0):
epc1=0x4020ccc4, epc2=0x00000000, epc3=0x00000000, excvaddr=0x00000000, depc=0x00000000

旧バージョンのFlash Download Toolsでは、FLASH SIZEに32Mbit-C1と指定(これにより32Mbit(1024KB+1024KB)構成に)していましたが、最新のFlash Download ToolsはFLASH SIZEの選択画面が無くなっています(えっ、何故に??)。

そこで、boot.binに埋め込まれているFLASH SIZEの設定を32Mbit-C1に変更しつつ、DoNotChgBinのチェックを入れる方法に変更しました。

ついでに、複数のファイルを合成(combine)することでファイル/アドレス指定の手間を減らしました。

参考リンク

変更履歴

日付 変更者 変更内容
2025/5/12 松岡 作成