AI画像解析内蔵カメラ、reCamera

Seeed K.K.の松岡です。

reCameraという新製品が手元に届いたので試しました。

reCameraとは?

reCamera紹介動画(英語):
www.youtube.com

reCameraは約4cm角の小型なカメラで、物体検出(Object Detection)などAI画像解析を単体で実現できるVision AIのデバイスです。 AIカメラでよくある、こういう人物検知とかができます。

ハードウェアは、センサーボード、コアボード、ベースボードのモジュラー設計になっていて、使用環境や要件に合わせて各種ボードを組み合わせることで柔軟に対応できます。

ソフトウェアは、軽量化したLinuxとNode-REDが組み込まれていて、ビジュアルプログラミングですぐに試すことができます。必要であればC/C++で高度なプログラミングも可能です。

reCameraを試す

現在、reCameraはWi-Fi有無とeMMC容量で4つの製品がありますが、手元に来たのは最も高機能、大容量のreCamera 2002w 64GBでした。

プレインストールのOSはバージョン0.1.3でしたが、最新にアップデートしたところ0.1.5になりました。

  • reCamera 2002 8GB ... Wi-Fi無し、eMMC 8GB
  • reCamera 2002w 8GB ... Wi-Fi有り、eMMC 8GB
  • reCamera 2002 64GB ... Wi-Fi無し、eMMC 64GB
  • reCamera 2002w 64GB ... Wi-Fi有り、eMMC 64GB

開封

まずは、なにが入っているのか確認してみましょう。

箱を開けると、reCamera本体とまぁまぁ長いUSBケーブル、有線Ethernet接続ケーブルが入っていました。 (ACアダプターは入っていません。)

USBケーブルの両端はUSB-CとUSB-Aです。reCameraがUSB-Cなので、USB-AのACアダプターやPCとreCameraを繋ぐ用ですね。長さを測ってみると150cmありました。結構長い。

また、有線Ethernet接続ケーブルも入っていました。Wi-Fi有りモデルでも有線Ethernetが使えるようです。一括の被覆が一部無いのでちょっと不安。(追記: 使えました)

reCameraをざっと眺めると、カメラの周りに照明用LEDが4つありました。ちょっと便利かも。

ヒートシンク部分には1/4インチのネジ穴があります。ガッチリと固定できそうでイイ感じです。

ただ、USB-Cコネクタがすぐ横にあるので、三脚によってはUSBケーブルが干渉してしまうかもしれません。注意が必要ですね。

ずっしりとした重量感だったので、重さを測ったところ66gでした。

三脚

手元のミニ三脚にreCameraを乗せてみます。

案の定、USBケーブルが干渉...。雲台追加しました。

アクセス

PCからreCameraの操作はWebブラウザで行います。 通信は4つの方法が用意されています。

  1. USBケーブル

    reCameraをPCとUSBケーブルで接続すると、USB NCMと認識されて192.168.42.1で通信できます。

  2. Wi-Fi AP mode

    Wi-Fi有りモデルならば、reCamera自身がアクセスポイントになり、192.168.16.1で通信できます。 やってみると、アクセスポイントが見えたり見えなくなったりします。なにか条件があるのだろうか?

  3. 有線Ethernet

    reCameraを有線Ethernet接続ケーブルを使って宅内LANに有線接続すると、IP通信できます。 接続IPアドレスは宅内DHCPサーバー次第です。

  4. Wi-Fi STA mode

    Wi-Fi有りモデルならば、reCameraから宅内Wi-Fiアクセスポイントに接続してIP通信できます。 接続IPアドレスは宅内DHCPサーバー次第です。

1.と2.の場合は、reCamera OSのアップデートはできません。 手動でやる方法がありますがちょっと面倒です。

ネットワークの設定時は1.のUSBケーブルを使い、以降は3.や4.を使うのが良いでしょう。

デモ

reCameraへのアクセスが出来たら、デモを動かしてみましょう。

インストールされているNode-REDに、デモのフローがプレインストールされています。 ワークスペースページで確認することができます。

http://<IP address>/#/workspace:

ダッシュボードを開くと、推論結果がPreviewにそれっぽく表示されました。 動くまでチョー簡単ですね。

http://<IP address>/:

電流

Webブラウザでダッシュボードを開きながら消費電流を見ると、0.3A弱でした。 Grove - Vision AI Module V2と比べると多いですが、許容範囲かなと思います。

まとめ

  • reCameraはAI画像解析を単体で実現できるVision AIカメラ。
  • Wi-Fi無しとWi-Fi有り、eMMC 8GBと64GBの製品がある。
  • 開封からデモ稼働までチョッ早。
  • Node-REDでビジュアルプログラミングできる。
  • 電源供給はUSBケーブル。
  • reCameraへのアクセスは4通り。USBケーブル、Wi-Fi AP、有線Ethernet、Wi-Fi STA。
  • 有線Ethernetはボテッとした接続ケーブルを使う。
  • 約4cm角と小型。
  • モジュラー設計で柔軟。

参考リンク

変更履歴

日付 変更者 変更内容
2025/3/11 松岡 作成