Seeed K.K.の松岡です。
reComputer J1010とJ1020のJetson Nanoモジュールには、ヒートシンクが取り付けてあるものの、ファンが無くてちょっと不安です。reComputer J2011やJ2012のJetson Xavier NXモジュールのヒートシンクにはファンが付いているので、以前、これをJetson Nanoモジュールに載せかえようとしましたが、ネジ位置が違っていて付けれませんでした。
なにか良い部品無いかなーと思っていたところ、SeeedからJetson Nanoモジュール用のファン付きヒートシンクが発売になりました。すばらしい。さっそく入手して試してみました。
2種類のJetson Nanoモジュール用ヒートシンク
Jetson Nanoモジュールに標準で取り付けられているヒートシンクは「Passive Heat Sink」というものです。
単なるヒートシンク、ファンは付いていません。ヒートシンクの上の部分に後付けでファンを追加取付できるように、ヒートシンクのフィンの一部が折り曲げてあって穴が開けてあります。ここにファンをねじ止めすることができるようです。
一方、今回入手したファン付きヒートシンクは「Active Heat Sink」というものです。
ヒートシンクの中央部分にファンが埋め込まれていて、PWM制御に対応しています。Jetson Nanoで動かしているJetson Linuxから速度制御することができるようです。
Jetson Nanoモジュール用ファン付きヒートシンク
入手したActive Heat Sinkには、これらのパーツが入っていました。
- ファン付きヒートシンク
- 熱伝導用シリコンシート
- 板バネ
- ネジ 4本
- コネクタ変換ケーブル
ネジがトルクス(星形)なので、ヒートシンクの交換にはトルクスドライバーが必要ですが、、、残念ながら、工具は入っていませんでした。
ヒートシンク交換前
ヒートシンク交換前に、Jetson Nanoモジュールがどれくらいの温度になっているか確認しておきましょう。
今日はメチャ暑い日(予報では最高気温38℃の猛暑日!)ですが、部屋はエアコンフル稼働で快適です。部屋の温度計は27.6℃と表示しています。
reComputer J1020の電源を入れて、10分ほど待ってからjtop
コマンドで温度を確認すると、41~52℃でした。
stress -c 4
でCPUを高負荷にすると、1分ほどでAO温度が赤色表示になりました。52~63℃。赤色表示が怖いです。
ヒートシンク交換
それでは、ファン付きヒートシンクに交換します。
いくつかネジを外して、Jetson Nanoモジュールを取り外します。モジュール裏面のトルクスのネジを4本外すと、ヒートシンクが外れます。
熱伝導用シリコンシートをハサミで良い感じの大きさにカットして、ヒートシンク-シリコンシート-モジュール-板バネ-ネジの順に重ねて、ネジを締めて固定します。板バネは表裏があるので間違えないよう注意しながら作業します。
ヒートシンク交換後
今の部屋の温度計は28.1℃。
reComputer J1020の電源を入れましたが、、、ファン動きません。
温度が低いからなのか、しばらく待ってもファンは動きません。🥲
stress -c 4
でCPUを高負荷にすると、、、1分ほどでAO温度が赤色表示になり、静かに、ファンが動き出しました。
しばらく待っても、穏やかです。CPU負荷だけでは、ファンの稼働は31%から上がらないようです。
ファン100%
そこで、jtop
コマンドでファンモードをマニュアルに変更して、ファンスピードを100%にしてみました。
ファンが唸っています。いいですね。
温度は39~49℃になりました。
コネクタ変換ケーブルは何に使うの?
そういえば、同梱されていたコネクタ変換ケーブルはどこにも使いませんでした。さて、このコネクタ変換ケーブルは何のためにあるのでしょうか?
reComputer J1010にファン付きヒートシンクを接続するときに使用します。reComputer J1010のファンコネクタは、reComputer J1020よりもひとまわり大きなコネクタを採用していて、同じものではありません。ファン付きヒートシンクのファンコネクタはreComputer J1020のものを採用しているので、reComputer J1010に接続するときはコネクタ変換が必要になります。また、Jetson Nano Developer Kitの場合も、reComputer J1010と同様にコネクタ変換ケーブルを使います。
まとめ
- Jetson Nanoモジュール用ファン付きヒートシンク、ポン付けでした。
- CPU高負荷、標準のヒートシンクだと、52~63℃。
- CPU高負荷、ファン付きヒートシンクだと、49~60℃。(ファンスピード31%)
- CPU高負荷、ファン付きヒートシンク、ファンスピード100%だと、39~49℃。
思うように温度が上げられず、ファン付きの効果絶大!という感じにはなりませんでした。よほどGPUぶん回すアプリケーションでなければファンは必要無いのかも?
個人的にはファンを付けておいたほうが安心感があって良いなと思いました。
変更履歴
日付 | 変更者 | 変更内容 |
---|---|---|
2022/8/2 | 松岡 | 作成 |