Seeed K.K.の松岡です。
reTerminalのEthernet/Wi-Fi通信がどれくらいの速度か確認してみました。
確認方法
IPネットワークの速度テストツールiPerf3を使って、reTerminalとパソコンの間の通信速度を測定します。
パソコンでiPerf3をサーバーとして起動(
iperf3 -s
)しておき、reTerminalでiPerf3をクライアント実行(iperf3 -c <IPアドレス>
)すると、iPerf3クライアントとiPerf3サーバーの間で10秒間通信して、通信速度が画面に表示されます。
-6
オプションを指定すると、IPv6でテストできます。
内容 | コマンド |
---|---|
サーバー起動 | iperf3 -s |
クライアント実行 | iperf3 -c <IPアドレス> |
サーバー起動(IPv6) | iperf3 -6 -s |
クライアント実行(IPv6) | iperf3 -6 -c <IPアドレス> |
reTerminalには有線Ethernetと2.4/5GHz対応Wi-Fiがあります。reTerminalのWi-FiはFPCアンテナを内蔵していますが、ダイポールアンテナに付け替えることもできます。
そこで、次のテストケースでiPerf3の受信バンド幅がどれくらいか確認することにしました。
- 有線Ethernet(Wired)
- IPv4, IPv6
- Wi-Fi(Wireless)
- FPCアンテナ
- 2.4GHz
- IPv4, IPv6
- 5GHz
- IPv4, IPv6
- 2.4GHz
- ダイポールアンテナ
- 2.4GHz
- IPv4, IPv6
- 5GHz
- IPv4, IPv6
- 2.4GHz
- FPCアンテナ
有線Ethernet(Wired)ではEdgeRouter X 1台のみを経由しました。
Wi-Fi(Wireless)ではArcher A10 1台のみを経由しました。
結果
測定した結果がこのグラフです。
有線Ethernet(Wired)が突出しているのが一目瞭然です。約940Mbits/secでした。
一方、Wi-Fi(Wireless)は2.4GHzと比べて5GHzの方が若干速いようですが、それほど違いはありませんでした。50~80Mbits/secでした。
距離と受信バンド幅、リンク品質
FPCアンテナとダイポールアンテナに差が無かったのはちょっと残念です。
そこで、Wi-FiアクセスポイントとreTerminalの距離を離してみて、何か差が見られないか確認することにしました。具体的には、無線デバイスのモニタリングツールwavemonでリンク品質を見てみようと思います。
総当たりで試すのは大変なので、、、5GHz、IPv4だけにします。変更するのはアンテナと距離だけ。アクセスポイントとreTerminalの距離は1m(同じ部屋)、5m(隣の部屋)、10m(隣の隣の部屋)にしました。
- FPCアンテナ
- Room A (1m)
- Room B (5m)
- Room C (10m)
- ダイポールアンテナ
- Room A (1m)
- Room B (5m)
- Room C (10m)
測定した結果がこのグラフです。
10m(と壁2枚)を経由すると、受信バンド幅が少し下がるのがわかります。FPCアンテナでは1m -> 10mで80Mbits/sec -> 75Mbits/secでした。リンク品質には距離とアンテナの違いがはっきりと表れていて、ダイポールアンテナの方が良いです。10mでFPCアンテナは53%、ダイポールアンテナは74%でした。
まとめ
- 有線EthernetとWi-Fiで、通信速度に大差あり。(約940Mbits/sec vs 約80Mbits/sec)
- Wi-Fiは、5GHzの方が若干速い?(環境の影響があるので断言できない)
- アクセスポイントとの間が短距離固定ではないときは、ダイポールアンテナを使ったほうが良い。
参考リンク
変更履歴
日付 | 変更者 | 変更内容 |
---|---|---|
2021/10/18 | 松岡 | 作成 |